著者:森本大輔
出版:集英社(ヤングジャンプコミックス)
既刊最新刊:4巻(次巻2024/4/18予定)
目次(ページ内リンク)
もはや狂気 サッカーに全てを捧げる嵐木
・全てを捧げた高校サッカー
・ポジション:センターバックとの出会い
・イタリアへ
・チームメイトとの別れ
一筋縄ではいかない イタリアでの挑戦
刊行情報
天才でないことはわかっている 妄執的努力で挑む、欧州サッカーの頂点
純度の高いサッカーマンガ
主人公の嵐木 八咫郎(あらき やたろう)は、幼少期に見た欧州サッカーの熱狂に魅せられ、同じ舞台に立つことを目指します
1巻のスタート地点こそ日本ですが、舞台はイタリアに移り本格的な挑戦が始まります
ラブコメ要素がないのはもちろん、友情もエッセンス程度で、サッカーと挑戦を軸にストーリーが展開されていきます
もはや狂気 サッカーに全てを捧げる嵐木
全てを捧げた高校サッカー
野球やサッカーなど人気スポーツでプロを目指すような選手は、高校時代から相当にそのスポーツに人生を捧げている人が多いことでしょう
しかし本作主人公の嵐木は、そこからもう一段階ぶっ飛んでいます
全てを捧げる
それはもはや比喩ではなく、あらゆることをサッカーを中心に考えます
勉強もやるべきことは限られた時間で済ませ、欧州の言語を学習し、練習だけでなくサッカーの動画などを見る時間の確保に余念がありません
人間関係もサッカー部の相手だけちゃんと接すると言う徹底ぶりです
一日中サッカーするぜ!みたいなのではない、理屈でこれらをこなしているところが特徴的ですね
しかし悲しいかな、それでも勝てるわけでもプロになれるわけでもありません
ポジション:センターバックとの出会い
少なくとも高校サッカーにおいて、嵐木はFWとして強豪とも言えるチームでレギュラーになり得点源になりうる程度の実力をつけています
この辺、才能があるのかないのか、全てを捧げて努力すればここまで到達できるのか……難しいところはありますが、多少なりとも才能に全く恵まれなかったというほどではないのかもしれません
ただ一つ言えるのは、これ以上ないと思えるくらい努力をしても、それが報われるとは限らないということでしょう
圧倒的天才を有する彩海学園に阻まれ、一度も地区優勝することができていません
そしてその彩海学園との最後の決勝、高校3年の大会で嵐木は本来のFWではなくCB(センターバック)として試合に出ることになります
ある意味これが、運命との出会いだったのかもしれません
慣れないポジションであるにも関わらず、ファウルも厭わず天才にくらいつきます
しかしそれだけで勝つことはできず、敗退し引退試合を終えることになりました
イタリアへ
元々嵐木は、父親との約束で高卒時点でプロになれなければサッカーを辞めることになっていました
この時点でプロから声がかからなければ、全てを捧げたサッカーも終わりです
しかし、彩海学園との決勝戦を見ていた、単なる観客ではない人物がいました
彼こそがイタリア一部チームのスカウトであるシルヴィオ
嵐木の狂気に可能性を見出し、声をかけます
もちろんその後に芽が出なければそれまでという前提ではありますが、嵐木にとってはこの上ない話
プロの試合に出るわけではないとは言え契約は契約
首の皮一枚のところで繋がった嵐木は、イタリアへ向かい物語は本格的に展開し始めます
チームメイトとの別れ
嵐木には、少しばかりイタリア行きの猶予がありました
それは別れを告げるため……というものではなく、嵐木はCBとして見出されたものの今ままでFWでやってきたわけで、最低限できるようになるための準備期間というわけです
CBになったばかりだから、とそんな言い訳が通用しない世界であることが察せられます
かつてのチームメイトたちに付き合ってもらって、日本での時間を最後までサッカーに注ぎ込みます
おそらく最も仲が良かったであろう上元と1on1をすることに
淡白なやり取りですが、それが成立する関係であることに信頼を感じます
ボリュームとしてはわずかですが、本作はこういう描写の良さも結構光りますね
そして、イタリアへ向かいます
一筋縄ではいかない イタリアでの挑戦
当たり前ではあるんですけどね
だからこそ、成長の余地、努力の余地が有り余るほどあるわけで、少年マンガらしい努力と勝利が存分に機能するわけです
比率は努力8:勝利2くらいですが
挑戦は前途多難、スカウトされて来ているはずの嵐木ではありますが、どうやらシルヴィオはあまり好かれていないようで、到着早々予定していない入団テストがありクリアできなければ契約もできないという流れに
しかし元々、どう転ぼうと上を目指していくしかない嵐木
こうした障害を糧に少しずつ成長していきます
刊行情報
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