著者:未幡
出版:一迅社(百合姫コミックス)
既刊最新刊:13巻(次巻未定)
目次(ページ内リンク)
最新刊までの振り返り
1〜2巻
1、2巻では陽芽がリーベで働き始め、美月と再会し、いったんの和解まで辿り着きました
小学校時代にすれ違ったままだった二人は、嘘と本音のやりとりを乗り越えて仲を深めました
3〜4巻
しかし物語としては問題の山積み
とりあえず目の前の大きな問題としては、自分だけが陽芽の特別だと思っていた果乃子は、美月に対しての嫉妬を隠せません
そもそも陽芽以外の人と関わることの価値を見出さず、陽芽を好きだという気持ちも誰にも言うことができない
そんな果乃子の好きに気付き、助けたいと思ったのは純加でした
5〜8巻
5巻からはまた陽芽と美月に焦点が当たります
3、4巻で果乃子から美月に対する嫉妬に触れられましたが、その逆も然り、むしろ客観的に見て仲の良い友達をやっているのは果乃子の方なので、美月から果乃子への嫉妬が生じるのも当然です
でもその嫉妬をいい形で表に出せないのが美月……そしてまたすれ違いが生まれます
ただ、そこは一度分かり合った二人、ちゃんと本当の気持ちを伝え合うことでもう一度分かり合えるはず……
そうしてまた仲直り、の流れでしたが、本当の地獄はそこからなのでした!
美月の好きは、恋愛としての好き
対する陽芽は……実際のところはさておき、少なくともそれを受け入れることはできない
本音を言えばそれで全てが丸く収まるものでもなく、好意なら全てが受け入れられるわけでもない
それでも最終的に二人は、好きの形は違っても好きであることには違いなく、本音を伝え合ってまた共に過ごし続けることを選びました
9〜12巻
さて、9巻からはまた果乃子と純加のパートになります
陽芽、美月、果乃子の三角関係が話の主軸ですが、こうしてみると2カップルを交互に掘り下げている構成なのが分かりますね
てっきり12巻で概ねこのパートはまとまりきるのかと思っていましたが、どうやら13巻、14巻までで一区切りにすることを作者さんは考えているようです
純加は、果乃子の陽芽への想いを知り、傷つかないように守ろうとしています
しかし、果乃子を笑顔にできるのは、そんな純加ではなく陽芽……そんな状況もまた歪な関係の一つに違いありません
過去のことからサロンでの恋愛は関係を破壊するものと考えていた純加でしたが、果乃子のことを恋愛的に見ていることに気づき始めます
そうするとさらに、その歪な関係は裏目に出ていくことになり、さらには過去サロンの関係を壊した人物、五影堂も現れ、もう大変です
結局のところ、純加も果乃子も、ちゃんと向き合ってこなかった自分の感情と向き合うことになるわけですね
こうして振り返ってみると色々ありますが、特に12巻からは、内面の動きへとシフトしていっています
新刊情報
最新刊:第13巻
発売日:2024/1/17
13巻冒頭は、果乃子が陽芽との過去を語り始めるところから始まります
薄々わかっていたことではありますが、すでに果乃子は陽芽への告白を試みていました
うまくいっていないのは今の状況を見ればわかります……が、まあなんとも果乃子らしい結末というか、今の関係の始まりとなる出来事でした
果乃子と純加は、だいたい何かしらを言い合っていますねー
百合のサブカップルは、甘いか苦いかどっちかに寄りがちなものですが……
しかしその形もだんだんと変化し、二人とも言い合っている理由が自分のためや考えだけでではなく、相手のためになっていくのがなんとも尊い
果乃子の、陽芽への強すぎる想いも、どこか和らいでいっているようです
反面、わりと良識があって男前な陽芽の、闇のようなものも感じられるようになってきますね
いい意味であまりに短く感じる13巻でした
出番がなくて少なすぎる矢野成分
このやりとりでほっこりできてしまうのはだいぶ飼い慣らされてますね
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