百合心中について語る

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アイキャッチ出典:出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_5巻』@一迅社

百合心中という言葉はご存知でしょうか?
百合界隈である程度過ごされている方は、耳にしたことくらいはあるんじゃないでしょうか


「百合」と「心中」を組み合わせた言葉ですが、その言葉の通り百合関係にある二人が、なんともしがたい事情に陥り、結果自殺などの方法で共に亡くなってしまうことですね
無理心中的な、必ずしも一緒に死ぬパターンではないのも含むと思います


わざわざこんな言葉が生まれ、残るのだから、そこそこそういう作品もあるのだろうと
そう思いつつそこそこの数を読んではいますが


割と出会わない


そもそも百合姫やきらら系を中心に、ここまで漫画が増えたのは最近のことですよね
昔はもっと細々と……どちらかと言えば小説を主戦場に育ってきた文化
そっちの方には結構あるのかもしれませんが、最近増えた流行りの百合の中には少ないのかもしれません


ハッピーでイチャイチャなものが多い印象ですしね
ぶっちゃけそっちの方が好きですし


とは言え、LGBTがどうとかでだいぶオープンにしやすくなったご時世ですら、同性同士というのが実際的に幸せになるのは大変なこと
状況に悲観して……というのは想像もしやすく、だから百合心中なんて言葉が生まれるのでしょう


と、そんなことであんまり素材はないのですが、手元にある作品の中で一つだけ百合心中に至った作品があります


ネタバレにもなってしまいますが、それでも良ければ続けて読み進めていただければ


百合心中作品

とりあえずタイトルの前に、どんな感じの百合心中かと言うと、ですが
百合が原因でというよりは、学校周りの人間関係で不登校になり、最終的に立ち行かなくなりーーという感じで、その時の心理は描写こそありますが、明確な断言などはされてません


その作品は「きたない君がいちばんかわいい」です


百合心中もそうですが、フェチズムもすごく感じられる判明、物語の構成技術的な高さもかなり感じられる作品で普通におすすめできます


心中ですのでね、ハッピーエンドでは当然ありません


とは言え、すごくバッドというわけでもなく……
もう少し何かやりようが……とは思いつつ、この二人にとってはこれも幸せな結末だったのかもしれないとか、色々考えてしまいます
少なくとも作品として、そんな風に考えさせることができる時点で成功であるでしょう


きたない君がいちばんかわいい
出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_5巻』@一迅社


逃避行が始まり、そこからも丁寧に、追い込まれていく過程が描かれます
状況的にも追い込まれますが、どちらかといえば精神的に自滅的に追い込まれている感じですね


実際に本当に死ななければならないほど追い込まれることはそうそうなく、やはり死を選ぶ状況というのは感情的にとても厳しい状況にある時なのでしょう
展開のための無理な決断ではなく、とても心情に自然に寄り添っている感じが、読者側に対して色々と訴えかけるものを生んでいる気がします


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ハッピーな展開、結末は歓迎ですが、百合心中含む暗い展開の作品があるからこそそうした作品の魅力がより感じられるわけで、どっちが良いとかではなく、どっちも存在していて欲しいというのが読者として思う欲張りなところです

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