二期はないんですか? 熱望してしまう出来
アニメ「私の百合はお仕事です」は2023年春クールのアニメとして1クール分放送されました
百合という元々人を選ぶジャンルで人気を出すのは難しいものですが、原作由来の緻密な心理描写や、一話ごと上手く盛り上がるように演出された構成、声優陣のはまりきった演技で、今までわたゆりを知らなかった人でも十分楽しむことができたのではないでしょうか
原作組も単純によくできているので楽しむことが出来ますが、OP,EDも素晴らしく、何ていうんでしょうね……陽芽と美月の尊さを極限まで引き上げるEDの曲と映像の存在だけでもアニメ化されて本当に良かったなぁ……と思えるものでした
だからこそ、2期やって欲しい! え、やらないの? 二期やったらちょうど原作の一番いいところきっちりやれるよ? ……と思ってしまいます
でも純粋な百合作品の2期はかなり期待薄なんですよねぇ
期待しすぎず期待して待つしかないですね
曰く、百合漫画家「地獄」、視聴者「胃痛薬が必要」
昨今、百合というものにおいて、どちらかというと市民権を得ているのはきらら系列の日常+百合みたいな位置の百合なのではないかと思います
きらら系は基本は緩めの日常作品なのでストレスの強い展開はほぼありませんし、百合はガチの人が数人投入されて、メイン級は友情の延長のパターンが多いです
しかし百合と言えば「百合姫」という専門誌があり、本作はそこの掲載作品なわけなのですが、こちらは同じようなまったりしているものもあれば、本格的に恋愛もの的にディープに取り組んでいる作品もあります
中でもこの「わたゆり」は、胃にくる、胸にくる、そんな展開が特徴的です
息継ぎが短すぎるという表現もされますが、メンタルにくる展開の中にふっと差し込まれる百合を楽しむような、そんな仕上がりになっています
シリアスと言っても、命に関わるとかイジメとかそういうのは一切ありません
人間関係、好き嫌いや、本音と嘘……そしてすれ違い、これらだけで重さを作り上げることができるのは、それぞれのキャラの感情にこの上なくリアリティがあるからだと思います
アニメでは、1、2話が日常もののような展開ですが、それ以後はほぼ、すれ違い行き違いぶつかり合いで90%程度が構成されています
この、1、2話は平和みたいな感覚もかなり飼い慣らされているというか、きらら感覚で見ると全然そんなことはないのですが……
でも「わたゆり」はちゃんと、息継ぎとゴールを提供してくれます
そこを目指して、苦行を乗り越える
命の危機を経験したから命の大事さを知ることができるみたいな
マンガ、アニメの紹介ではないような表現ですが、本当にそんな感じなんです
真剣にそれぞれの関係に向き合った彼女達の生み出すイチャイチャだからこそ、真に尊い関係になるんです
アニメ化の範囲と、原作のその後
アニメの範囲は1〜4巻、そして5巻の冒頭を少しまででした
1〜2巻が陽芽&美月のエピソード
3〜4巻が果乃子&純加(+陽芽)のエピソード
という感じですね
シュベスターティーの話を始めた時は、それキリ悪くならない? と思いましたが、ちょっと今後の展開を匂わせるくらいに収まりましたね……続き欲しい……
それぞれ、2巻分ずつとは思えない重厚な展開と内容で、アニメで見ていても引き伸ばし感、間延び感はまったくないものでした
2期どうこうの話を置いておいて、もし私が制作側なら1〜4巻をまいて何とか5〜8巻をぶち込みたくなるくらい、この範囲はインパクトがあるのですが……
しかし出来上がったアニメを見てみれば、じっくり空気感の演出もすることができて、作品の良さを存分に引き出した出来栄えになっていたかと思います
5〜8巻は陽芽と美月のターンです
2巻分でかなりの起伏を作ってくる未幡さんですが、4巻分なので倍の深さの展開を作ってきます
冗談ではなく……
1〜2巻では絡みの少なかった(見えている地雷でもある)美月と果乃子の関わりもしっかり描かれます
是非、アニメも見て、続きも読んでみてもらいたいですねぇ
それでは最後に、ネタバレになりすぎない程度に5〜8巻の好きなカットです
アニメ最終話でも描かれていたシーンですが、ちょっとアレンジされていますね
ぱああの⚪︎をつい♡にしてしまう矢野ちゃん
でもそこはかとなく香る不穏
「なに言ってるの!?」じゃなくて「なに言い出したの!?」なのがいいですね
的確なツッコミ
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