著者：仲谷 鳰
出版：KADOKAWA（電撃コミックスNEXT）
既刊最新刊：8巻（完結）
目次(ページ内リンク)
特別がわからないはずなのに
燈子の真意と、気持ちが追いつかないくらいの行動力
もう一人のいい感じのキャラ 佐伯 沙弥香（さえき さやか）
じっくりと出会いから描かれ、やがて辿り着く結末
刊行情報
金字塔と語られるのも納得、丁寧でいて確実に前進する二人の関係の全図
特別がわからない
主人公となる小糸 侑（こいと ゆう）は、小柄な女の子
高校に進学したところから物語は始まりますが、その少し前に一つの大きな出来事が彼女にはありました
中学卒業の際に、告白を受けていました
相手は男子
当たり前ですけどね！ でも百合もので普通に男女の関係が描かれるのはそれなりに珍しい気がします
まったく話を楽しむのに差し障りないのが絶妙なバランス
というよりも一つの重要なポイントでもあり、侑はその相手も含め、誰のことを特別に思えないことを思い悩んでいました
特別がわからないはずなのに
高校に入って侑が出会ったのが、生徒会の七海 燈子（ななみ とうこ）です
先生に勧められて……程度の流れでしたが、興味もなくはなかったということで、侑は生徒会室を探します
探します、というのも、生徒会室が微妙にわかりにくいところにあるのが原因で少し迷ってしまったのでした
そこで、燈子が告白されている現場を目撃してしまいます
告白は断るのですが、燈子は今回に限らずしょっちゅう告白を受けていました
しかし、必ず断る
侑と同じように、誰かを特別に想うことがないということだそうで
そこで侑は告白を受けていることの相談を燈子に持ちかけることで、二人は少しだけお互いのことを知ることになります
特別に誰かを想うことのない仲間……そう侑は思っていたのですが、燈子からは思いもよらぬ言葉が出てきます
燈子の真意と、気持ちが追いつかないくらいの行動力
一つ一つ、意外なところついてくる展開を何も知らないで楽しんでもらいたいところですが……
この作品の重要なポイントは、侑は誰かを特別に想わず、燈子は特別に想われたくないから侑が好きだという、もどかしさが漂う関係性です
ここからどう進展していくのか……間違いなく、予想の範疇に収まらないけれど期待には応えてくれる作品なので、ぜひ読んでみてもらいたいところです
もう一人のいい感じのキャラ 佐伯 沙弥香（さえき さやか）
やがて君になるを語る上で欠かせないのが佐伯 沙弥香（さえき さやか）
燈子の同級生で同じく生徒会に所属しています
となると当然、先に燈子に出会って、誰も特別に想わない燈子を後ろから見てきた存在です
三角関係となる難しいポジションですが……
嫌な雰囲気にならず、展開を助け、そして自分自身も重要な役割を演じるなくてはならない存在です
個人の感想ですが誰が好きって聞かれたらこの子かもしれません
じっくりと出会いから描かれ、やがて辿り着く結末
結末はぜひ読んでいただいて、ですが
内容は王道も王道
そして誰もが納得できるように、ゴールまでの過程がしっかり描かれていました
百合のお手本のような作品だったなぁ……と読み返してもしみじみ思います
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