不器用な安達と、暖かく?受け入れるしまむらの少しずつ前進していく関係
クールでかっこいい側かと思わせて……
安達もしまむらも、どちらも間違いなくどちらが欠けても成立しないこの作品の魅力の骨格のキャラです
しかしやはり安達
ネタバレも何もな別にミステリめいたものではないですが、キャラの印象の変遷はできる限り先入観なしで流れで感じて欲しい作品です
二人の出会いは、体育館
二人とも授業に出ず、同じ場所でサボろうとしたことで顔を合わせます
約束をして会うわけでもない、深く入り込み過ぎない関係です
しかしちょっとずつ距離感に変化が
しまむら→安達への気持ちの強まりが感じられるように
この頃はまだ、氷の彫像と呼ばれていた時代の片鱗が感じられます
別に騙されているわけでもないですが、ちょっとしたミスリードなんでしょうね、この辺は
二人がそれぞれの視点で少しずつ相手への感情を作っていく過程がとても丁寧です
ゆっくりと情緒たっぷりに進む関係
ライトノベル原作なので、原作をあたれば安達サイドとしまむらサイドの両面から二人の思考が丁寧に描かれています
入間人間作品はいくつか読んでいますが、こんなに百合にあった作家だとは思ってませんでした
面白い表現で感情を描き出しています
安達の手は柔らかくてふわふわしているけれど、だからちょっと落ち着かない。
それは私を赤面させるのに一番効率的な『かわいい』だった。
えぇ?
あら?
あらら?
私はなにを言おうとしたんだ?
感情由来の新しい日本語は、自分でもなにを言っているのかさっぱり分からなかった。
出典:著:入間 人間、イラスト:のん『安達としまむら_1巻』@KADOKAWA
それぞれ、読んだことがある人、アニメを見たことがあるだけの人でもどのシーンかわかるかもしれませんね
読んだこと、見たことがない人は、わりとそんな進まなくても辿り着く場所なので、是非媒体問わず体感してもらいたいですね
だから人といることはほんの少し、苦痛を伴う。
理解できないこと、面倒なこと、関係のこじれに伴う修復、解体への労力。
だけどそうした負の面の隙間に、幸せは転がっている。
出典:著:入間 人間、イラスト:のん『安達としまむら_1巻』@KADOKAWA
これはしまむらさんの一人称視点での文章
ある意味、この話の象徴的なフレーズな気がしています
氷の彫像から
名誉童貞へクラスチェンジした女の子の成長と、何もなさそうで色々ある百合を楽しむ物語です
過程ではちょっとハラハラすることがありつつも、帰るべきところに帰ってくる安心感もあります
おすすめです
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