私の百合はお仕事です！
コンカフェ「リーベ女学園」で繰り広げられるストーリー重視な百合物語！
嘘の入り混じる二人の迫真のやりとり 乗り越えた先の本当の仲
百合度 ⭐️⭐️☆
シリアス度 ⭐️⭐️☆
コメディ度 ⭐️☆☆
百合とはどんなものか、と思う方に是非手に取っていただきたい一作です
胸が痛くなるようなシーンもある……というか大半がそうなのですが……しかしそれに付き合って、読み続けていた良かったと思えるシーンが各区切りごとにちゃんと用意されています
さて、カフェリーベ女学園というコンカフェに、巻き込まれる形で主人公である陽芽がバイトをすることになるのが物語の始まりです
そこで出会った先輩のお姉様、美月はやたらと陽芽に厳しく当たります
ここまではよくある導入、あるいは不器用なだけの美月と少しずつ打ち解けていく展開も、お約束のようなところかもしれません
しかし物語は無事和解、かと思われたところから本当の意味でスタートします
なんと、美月は陽芽がケンカ別れのようにして顔を合わせなくなってしまった、小学校の時の級友なのでした！
美月の方だけが一方的に気づいていたのも厳しい当たりの原因でしたが（美月がなんというか成長しすぎていて気付かなかったということで……仕方ないですね）、このケンカ別れが元々致命的だったので、本格的に二人の関係はギクシャクし始めます
それはコンカフェの仕事に支障が出るほどに
でも本当は、お互い心から嫌い合っているわけではないのです、むしろ……
不器用さと、行き過ぎた思いやりと、そして噛み合わない嘘が二人を惑わしているだけなのであって、本当は二人とも仲良くしたいのです
その心理描写は深く、だからこそ絡んだ糸が解けた瞬間の感動はひとしおです
おすすめです！胃薬と共にどうぞ！
きたない君がいちばんかわいい
日常といえば日常、しかしどこか非日常な歪んだ二人の物語
百合度 ⭐️⭐️☆
シリアス度 ⭐️⭐️⭐️
コメディ度 ☆☆☆
読み始めてすぐわかるかと思いますが、かなりフェチ度の高い内容になっています
吐いてしまったりその他、汚い痛いとかわいい女の子を組み合わせたシリーズということで……
人を選びそうなというか確実に選びますが、絵柄は綺麗ですし、汚いの要素はマイルドに表現されているので不快に感じることはあまりありません
まあひなこがちょっと可哀想だなぁみたいなのはありますけどね
ひなこ本人がそれを受け入れているわけで……でも１００％完全に受け入れているわけではないというのが、この物語の難しいところで肝のところでもあります
愛吏からひなこに対して、ドSな行為が続けられますが、それは愛吏がひなこをかわいく思っているからであり、嗜虐思考のせいであっていじめたりしているつもりはありません
かといってちゃんと愛しているかと言えば、そうとも言い切れない
タイトルの「きたない君がいちばんかわいい」は、全体を通して雰囲気や内容をよく表していることに違いはありませんが、ちょっとした仕掛けがされています
なるほどそうかぁ……そうかぁ……と納得しつつ納得だけではなく俯いてしまうような、まあとにかくよく練られているなぁと感嘆してしまいます
感嘆っていうか……ほんと、そうかぁ……って感じになりました
やがて君になる
金字塔と語られるのも納得、丁寧でいて確実に前進する二人の関係の全図
百合度 ⭐️⭐️☆
シリアス度 ⭐️☆☆
コメディ度 ☆☆☆
教科書的というとつまらなそうな響きもありますが、この作品に向けてはそういう意味で使うつもりはありません
百合というジャンルは、そもそもが好きな人が読むもの、ジャンルへのある程度の理解がある人が読むものというのは一般的です
人を選ぶ、とも言いますし、狭い趣味の世界であるとも言えます
それに甘えて？ というか、暗黙の了解でもありますが、登場する人物も女性同士で好きになることの抵抗感や違和感を最初から持っていないキャラになりがちです
そんな百合というジャンルにおいて、一から関係の構築をしています
一からというのは、まったくそのような同性との恋愛感覚のない主人公が、初めて出会った相手と、という意味です
しかしそれでいて、ちゃんと納得できるものとして無理なく丁寧に描かれています
つまりは、暗黙の了解を共有していない、ジャンル未経験の人でも楽しむことができるということです
そこへの知識がない人でも世界へ入っていくことができる
それこそ本当の意味での教科書であるとそう思います
きみが死ぬまで恋をしたい
戦いの中にある日常 耽美な雰囲気も漂う少女達の心の交流
百合度 ⭐️⭐️☆
シリアス度 ⭐️⭐️⭐️
コメディ度 ☆☆☆
魔法と戦争のある世界の物語です
百合は基本的に心情を描くことが中心となるので、ファンタジー要素が強いものとは食い合わせが悪くなりがちですが、うまく調理されています
その分、関係が進展していくのに時間がかかりますが、友情もしっかり描き、その先にある関係として丁寧な描かれ方をしています
世界観の描写が深く、ゆっくりと味わうタイプの作風ですね
主人公は、魔法があまり強くなくて戦場に出ていく人たちを見送ることを歯痒く思っている女の子
相手として描かれるのは、逆に圧倒的な戦力として毎回活躍して帰ってくる女の子（ミミといいます）です
でもミミの強さにも秘密があって……と、わりと設定は盛りだくさん
それらをしっかり描きながら仲を深めていくので、掴みは決して強くないですが、読んでいるうちに二人の関係を愛おしく感じてしまうような作品です
なお、修復魔法はキスでするのが一番効くようです
♡♡男だ～いすき♡♡
このタイトルで本当に百合の花が咲くんですか？ ちゃんと百合やってます！
百合度 ⭐️⭐️☆
シリアス度 ☆☆☆
コメディ度 ⭐️⭐️☆
セフレはたくさんいるけど恋愛感情は不要な女の子と、セフレがめっちゃ欲しいけど変人なのでなかなか知り合いすらできない女の子の二人がメインです
これはなかなか、というか確実に百合界隈では見ない設定の二人でしょう
そもそも百合というものに、性的な関係は不要なのです
と、百合好きの７割くらいの人は思っているのではないでしょうか？いやわからないですけど
キスが最高到達点でいいんです、それが尊いってものなんです、みたいな
しかしこの作品はあっさりその到達点を超えてくる
ならこの百合は尊くないのか？いいえ、そんなことはありません
そうしたゴールの先にあるようなものを通過点として、あれ、好きかも、というところに到着します
すごいです、一読の価値ありです
ふたりべや
仲良くなっていく二人のゆっくりまったり。ふたりべやをコンセプトにしたサザエさん時空ではない日常もの
ふたりべやはタイトルの通り、２人の女の子が一つの部屋に住まいます
一人は桜子という真面目？な優等生、寮か下宿に入らなければならない高校の決まり事があり、下宿にすることに決めたのですが下宿にも必ず二人部屋というルールがありました
そうして一緒の部屋で暮らすことになったのがもう一人、かすみです
かすみは不真面目というほどではないですが、ズボラ、しかし美少女
ということで、桜子がかすみを甘やかす女の子同士のイチャイチャ日常ものが誕生するのでした
日常百合と売り込んでいるのは見たことないですが、まさしくこれは日常百合という感じです
仲違いを経て仲良く……というのではなく、過ごした分だけ仲を深めていくようなまったりした仕上がり
絵も可愛いのでそういうのが好きな人はきっと気にいるのではないでしょうか
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