著者:つくしあきひと
出版:竹書房(バンブーコミックス)
既刊最新刊:12巻(次巻未定)
目次(ページ内リンク)
かわいい絵と残酷なこともある旅 設定の練り込みがすごい
アビスと呼ばれる深い竪穴の旅
主人公はリコ
まだまだ幼さの残る女の子です
物語の契機は、レグという機械仕掛けの少年との出会い、そして母親からのメッセージ
危険だらけのアビスへ身を投じ、最深部へと目指します
よく設定が練り込まれたアビス
設定はすごい手が込んでいます
大雑把にはダンジョンものの系譜という感じですが、ありがちなモンスターを都合のいいスキルで倒すようなものとは違います
特に特徴的なのは、『アビスの呪い』でしょう
気候や動植物も探窟家たちを阻みますが、何よりも障害となるのが、地上に戻るために上昇を始めると様々な症状として表れるアビスの呪い
もうどうにもこうにもそれ以上潜ったら死ぬ他ないというラインもあり、この設定が何より展開、ストーリーを作っています
絶対戻れないわけではないけど、生きて戻れないことが多々あるアビス
その片道切符なところが冒険感を際立たせていますね
敵は自然やアビスの呪いだけではなく……
動植物もやばいのばっかりなのであっさりピンチに陥りますが、まあそれは何とかなります
なんとか……いや、ギリギリだったりしますが、捕食しようとする以上のことはあまりないですからね
一番怖いのは人、とはよく言ったもので、ピンチや本作特有の残酷な展開は、だいたい人間のせいみたいなところがあります
初めての白笛オーゼン
白笛というのは探窟家達の中でも頂点に君臨する称号のようなもので、実際白い笛を持っています
こいつらが基本曲者ということで、その第一弾として登場するのがオーゼンです
ただまあ、癖は確かにありますが、あとあとを考えれば全然まとも
過去のエピソードも含めけっこう好きだったりします
やばいやつがいれば、被害者も当然います
メイン二人に加わるナナチもまたその一人……なんでしょうが
脱線しますが、本作に迸る作者の性癖がすごいですね
とにかくそのアビスの作り込まれた設定と、狂気を含みつつ人間性を感じさせるキャラクター、そして突き抜けた変態性が組み合わさることで、とにかく独自の世界観を作り上げている作品だと思います
最後に
これはいい絵ですね
雰囲気を描く引き出しが多い作者さんだと思います
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