おすすめ作品ピックアップ紹介「きたない君がいちばんかわいい」

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アイキャッチ出典:出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_1巻』@一迅社

かわいいには綺麗なことばかりじゃない
それでもかわいい、ちょっと拗れた百合物語


「きたない君」が意味するところとは

読み始めてすぐわかるかと思いますが、かなりフェチ度の高い内容になっています
吐いてしまったりその他、汚い痛いとかわいい女の子を組み合わせたシリーズということで……
人を選びそうなというか確実に選びますが、絵柄は綺麗ですし、汚いの要素はマイルドに表現されているので不快に感じることはあまりありません
まあひなこがちょっと可哀想だなぁみたいなのはありますけどね
ひなこ本人がそれを受け入れているわけで……でも100%完全に受け入れているわけではないというのが、この物語の難しいところで肝のところでもあります


きたない君がいちばんかわいい
出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_1巻』@一迅社


1巻では、そのフェチシズムを感じる小エピソードが続きます(2巻以降もうまく差し込んできますが、ストーリー展開の比重が増えてきますね)
日常といえば日常、しかしどこか非日常

愛吏からひなこに対して、ドSな行為が続けられますが、それは愛吏がひなこをかわいく思っているからであり、嗜虐思考のせいであっていじめたりしているつもりはありません
かといってちゃんと愛しているかと言えば、そうとも言い切れない

タイトルの「きたない君がいちばんかわいい」は、全体を通して雰囲気や内容をよく表していることに違いはありませんが、ちょっとした仕掛けがされています
なるほどそうかぁ……そうかぁ……と納得しつつ納得だけではなく俯いてしまうような、まあとにかくよく練られているなぁと感嘆してしまいます
感嘆っていうか……ほんと、そうかぁ……って感じになりました


きたない君がいちばんかわいい
出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_3巻』@一迅社


愛吏とひなこがそれぞれかわいい

きたない君がいちばんかわいい
出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_1巻』@一迅社


絵は綺麗ですし、雰囲気系の読みにくい感じではなくスッキリしています
これは見ていただいての通りですね
絵の質も最初から変化が少なく安定していて、終始一定しています
単純に魅力があり読みやすくもありますし、一気読みしても何も違和感がないので、完結した本作を通して読むのにもプラスになるかもしれません
とにかく、百合はカップルどちらも可愛く描かれているのに越したことはないので、画力の高さは魅力ですね


きたない君がいちばんかわいい
出典:まにお『きたない君がいちばんかわいい_3巻』@一迅社


たどり着いて、この感覚を共有してもらいたい……と思う結末

百合ものとしては稀によくあるタイプの結末を本作は迎えます
ネタバレありでやっているので、言ってしまってもいいのですが……

持っていき方が秀逸で、そこに辿り着くまでの起伏も含めて物語としてすごく面白かったので、ぜひ読んでいない人は何も知らない状態で読んでもらいたいと思っています
少しだけ雰囲気を漏らしておくと、少なくともスッキリ爽快なタイプの終わりではなく、心に爪痕を残すタイプです

二人の関係が元々歪んでいるので、幸せな描写は最初から最後を通してあまり多くありません
しかしだからこそ、二人がずっと幸せに過ごしていって欲しいと心の底から思ってしまいます
最終5巻の表紙は、まさしくその気持ちにマッチするものとなっています
人を選ぶことに間違いありませんが、少しでも興味があるならぜひ読んでみてもらいたい名作です


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