著者:著:二丸 修一、イラスト:しぐれうい
出版:KADOKAWA(電撃文庫)
既刊最新刊:11巻(次巻2024/3/8予定)
目次(ページ内リンク)
幼なじみポジションの負けヒロイン確定に終止符を……打たずにさらにその先へ
幼なじみとは?
読み方:おさななじみ
別表記:幼馴染、幼なじみ、幼な馴染
幼い頃から仲が良い人、あるいは物心ついたときからの顔馴染みなどを意味する表現。
出典:weblio辞書
と、まあ、言うまでもなく一つの確立されたヒロインのポジションでもあるわけですが、どうしてもこんなイメージが定着していますね
幼なじみは負けヒロインになる
確かに思い返せる限り、ことごとく負けヒロインが多いように思います
どうしてもエピソードが仕上がってしまっているし、劇的な出会いを遂げたメインヒロインに対抗するのが物語展開的に難しい側面というのもあると思います
大体気立てが良くて、キャラ人気もある方なことが多いはずなのですが、どうしても、何やらどうしてもそうなってしまう摂理のようなものがあるようです
そんな自然の摂理に抗うがための「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
そうは言うけど結局負けるのでは? と勘繰ってしまう読者心理を含めての、テーマの時点で意外と広がりのありそうな設定なんじゃないでしょうか
ヒロイン
ヒロインは当然、幼なじみで然るべきです
志田 黒羽(しだ くろは)
ロリかわ系だそうです
見た目はそんな感じですが、お姉ちゃんぶるし言動はそんなに可愛い可愛いしているわけじゃありません
主人公とは隣に住んでいて家族ぐるみで付き合いがあるという、まさしく文句なしの幼なじみ
主人公からの呼び名はクロです
可知 白草(かち しろくさ)
一般文芸賞受賞の文学少女
ありがとうございますと言わせそうな冷たい目をしてくれます
クールビューティーで一見気が強そう、というのは定番のステレオタイプですが、その手のキャラとしてはやや珍しめの運動もできて社交的とは言いにくいものの、すごい問題を抱えているようなレベルではありません
主人公の初恋の相手として登場します
初恋が高校ってどうなんでしょうね、遅い感じもしますけどそういう人も結構いるんでしょうか
主人公の経歴と展開
主人公の丸 末晴(まる すえはる)は最初こそ、いかにもラノベ主人公の、片想いを寄せるチャラめの友人を一人抱えたキャラとして導入がスタートします
しかし挿絵を見えると、なかなかイケメンのよう
これもありがちな、やたら美化された主人公かなーと思っていましたが、それもそのはず
主人公は、かつて名を馳せた子役であったという設定を持っていました
ある程度顔は整っていて当然ですね
こういう設定だとイケすかない感じが出てきてしまうものですが、疑心暗鬼っぷり、そしてその的確さはモテてこなかった側のそれで、それなりに行動して手傷を負う場面もあるので嫌な感じはありません
ヒロインの設定とタイトルからすると、クロが、主人公を恋する白草からいかに取り返すか……みたいな展開が想像されるわけですが、そう単純にはいきません
そもそも、白草が単なる高嶺の花的キャラで通し切るかといえば、それはそれでそうは問屋が下さないというもの
幼なじみとは? 負けないとは? 結局解釈次第でどうとでもなってしまうわけですね、恐ろしい
あまり細かくネタバレせずに表現するのであれば、
むしろ登場人物達は一人残らず一回は負けた状態になるという……良い意味で?タイトル詐欺でした
しかしそうしたスタートをしているおかげで、どうせ幼なじみは負けるのだろう、逆にこんなタイトルなのだから勝つのだろう、という先入観や常識がリセットされ、本当に誰とくっつくんだろうなというラブコメならではの関係の変化を楽しみやすい作りになっています
いや、本当にどうするんでしょうね
関連記事
コメント