おすすめ作品ピックアップ紹介「これ描いて死ね」

作品紹介_recommend
アイキャッチ出典:出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_3巻』@小学館
目次(ページ内リンク)

これ描いて死ね、というと奇を衒った印象を受けますが、これでもかというくらい真っ直ぐ真剣にマンガを通した自分や周りとの向き合い方が描かれています
もうちょっとピッタリなタイトルが別にある気もしますね
舞台は伊豆大(王)島で、島もの、田舎ものとしての魅力もありますね
さて、島にある古びた書店に通い詰める主人公の安海は、一番好きなマンガの作者と出会うことでマンガを自分で描こうと思い立ちます
道具も何もなく、絵を描いてきたわけでもない、マンガが好きであること以外何もないところからのスタートです
でもとにかく描く
そんなスタンスに、マンガを描くなら下手でもなんでもいいからマンガを愛してたくさん描けという声が聞こえてきそうです
このマンガもあまり絵が上手いわけではないですが、とにかくキャラが魅力
マンガとの関わり方はキャラによって全く異なっていますが、一人残らず好きになれるくらいに描かれています


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_2巻』@小学館


安海と藤森

登場人物たちにはそれぞれの関係性がありますが、安海と藤森は原作(ネームまで)と作画の関係なので、まずマンガものとして見た時かなり重要な関係の二人です
加えて、どちらかと言えば元気系の安海と、引っ込み思案な藤森とで性格も対照的に機能しています
かと言ってなんでも正反対みたいな安易な設定ではなく、それでいてピッタリハマり合うのがいい感じです
最初は藤森の絵ばかり褒められてモヤっとする安海ですが、そんな安海に一番のファンだと言い切る藤森
いい関係ですよねー!
持っているものが違う二人が、協力して共に成長していく姿が素晴らしいです


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_1巻』@小学館


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_1巻』@小学館


赤福と石龍

石龍ってすごい名前ですけど、赤福の方が人の名前か?感があって印象に残りますね
と、マンガを読むだけの赤福と、すでにSNSなどでかなりの人気を誇るマンガ家(まだアマですが)の石龍も、それら設定だけなら一見縁遠そうですが良い関係の二人です
接点も、安海の友達というだけでマンガを描いたりはしない部員の赤福と、マンガを描く技術はすでに十分に持っているけど先生に釣られて入部した石龍とでは漫研以外ほとんどありません
ただ、お互い会話で言葉を飾らないタイプなので、(ある意味)相性が良さそうな感じは最初からありますね
石龍はマンガ以外はかなり捨てているところがあって、人間関係はギリギリ最低限
でもあくまで人と関わりたくないわけではなくて、優先するものではないという感じでです
赤福はそんな石龍と仲良くしようとします
赤福本人は当初陰キャを自称していましたが完全に陽の者ですね、確かに女子力の低いオタクという意味では大間違いではないのですが
対する石龍は完全に陰キャサイド
キャラデザはかわいいですけど、この辺は性格ですね
マンガ以外は不器用な石龍の攻撃的ですらある言動を、細かくないことも気にしない赤福が受け止めたりスルーしたり
コミュニケーションとしては成立していないレベルですが、でもお互いがそれで問題ないので成立している
これもとても良い関係ですねぇ


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_3巻』@小学館


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_3巻』@小学館


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_3巻』@小学館


脇を固めるキャラも魅力たっぷり

先生は脇というのはちょっと無理があるメイン級ですが、その他のキャラ含め短い登場シーンでもしっかり印象を残すし、それでいて無茶なキャラ付けでもなく程よいマンガ的な魅力で描かれています
毎巻末に先生のマンガ家時代のエピソードが描かれていますが、こういうのは本編より見劣りしがちなところ、しっかり面白いしキャラが本編に繋がっていて程よい掘り下げにもなっていますね
マンガもの感はむしろこっちの方が感じられるかも
これ描いて死ねというタイトルは、マンガに全てをかける執念が表れた言葉だと思っていますが、そんな真っ直ぐで捻じ曲がった情熱のようなものがこもっています


これ描いて死ね
出典:とよ田みのる『これ描いて死ね_1巻』@小学館



これ描いて死ね_1

関連記事
商品リンク(amazon)
▶︎scroll▶︎
link to kindle

コメント

タイトルとURLをコピーしました